『人類補完計画』とは?情報物理学と映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」
映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」のテーマ構造と『情報物理学』の観点を突き合わせると、本作がP=1を説明している。
「人類補完計画」= すべての波動関数がひとつに重なり合った「超・高エントロピー/完全同一相」
劇中で描かれる人類補完計画(サードインパクト)は、肉体という個体の境界線(A.T.フィールド=物理的・生体的なバリア)が解体され、全人類の自我や情報が生命のスープ(L.C.L)へと還元されるプロセスである。
情報物理学的に見れば、これは個々の情報(位相のズレやノイズ)が消滅し、システム全体がひとつの巨大な「重ね合わせ状態」へ落ち込むプロセスと言える。
シンジの選択=「観測者による波束の収縮(P=1 の確定)」
すべての自他境界が消えた完全な世界の中で、主人公・碇シンジは最終的に「他人と傷つけあうリスクがあっても、自分と他者が分かれた世界」を望み、拒絶する。
まさに、この「観測者(シンジ)が意思を持って『この世界で生きる』と選択(フェーズロック)した瞬間」に、無数に重なり合っていた不確定な可能性(L.C.Lの海)が一気に単一の現実へと収縮し、物理世界(シンジとアスカが肉体を持って存在する世界)がレンダリングされた。
これこそが、情報物理学における P=1(確定した未来への着地)のプロセスそのものである。
「A.T.フィールド」= 生体デバイスを独立させるクーラント・境界線
A.T.フィールドとは、作品内では「誰もが持っている心の壁」と表現されるが、情報物理学的には「個体が自らの内部エントロピーを低く保ち、他者のノイズ(外乱)から独立した生体デバイスとして存在するためのコヒーレンス維持機構」である。
これが消滅すると個体としての存在(レンダリング)が維持できなくなる。
『Air/まごころを、君に』のクライマックスは、まさに「無限の可能性の海(L.C.L)の中で、観測者が自らの意志(クオリア)によって世界を選択し、再び現実をレンダリング(P=1)する物語」として完璧に説明がつく。



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